こんばんは。
昨日、草なぎ剛さん主演の『ミッドナイトスワン』を観てきました。
YouTubeでの925秒のロング予告映像で話題になっていますよね。
私もそれを視聴して、映画館に足を運んだ口です。
なんといっても、草なぎさんの女装と演技には魅了されます。
また、ヒロインのバレリーナ役の子、新人さんでした。驚きです。
新人とは思えない素晴らしい演技でした。
ここからはネタバレを含みますので、ご注意を!
観た後の率直な感想は、重い……。
もっとハッピーエンドな結末を迎えるわけにはいかなかったのだろうか。
これにつきます。観終わった後、しばらく現実に戻るのが難しかったです。
それだけ衝撃的な物語でした。とても考えさせられる映画だったと思います。
精神的にずっしりときました。私は母を誘って観に行ったのですが、
ひとりで行かなくてよかったと思いました。
衝撃的なシーンがいくつかあります。
- 足の怪我でバレエを続けられなくなった友達が踊りながらビルの上から転落死する。
- 風俗店で働こうとしたが、やっぱり無理で逃げ出したナギサを追いかける客、その客に危害を加えて警察に連行されて行く仲間。
- ナギサの性転換手術の生々しさ
- 女性の体になったナギサがもみ合いの末、はだけた服からはみ出る片乳
- 手術の失敗で寝たきり状態、血の滲んだパンツ一丁の姿
なかなかヘビーな展開の話でした。
せめて手術は成功して欲しかった。失敗するなら手術しないほうが良かったです。
そのままのナギサが十分に綺麗だから。
なんか、個人的にはもっと救いのある展開にして欲しかったなと思いました。
(ミッドナイトスワン ・ストーリー展開)
草なぎさん演じるトランスジェンダーのナギサは、ニューハーフクラブに勤めています。
そこで夜な夜な、客相手にバレリーナの格好をしてショーをしています。
ホルモン注射を受けていて、ゆくゆくは性転換の手術を受けようとお金を貯めていました。
そんな中、田舎からの電話で、従姉妹の娘を預かってもらえないかという相談を受けます。
田舎の家族には自分がトランズジェンダーとして生きていることは内緒にしていました。
従姉妹は早くに子供を産んで、シングルマザーになり、女手ひとつで娘を育てるために
ホステスとして働いていましたが、生活は荒み、酒に飲まれ、娘に暴力を振るう日々で
ついに警察に通報されてしまいます。
仕方なく従姉妹の娘を短期間だけという約束で預かることを承諾します。
従姉妹の娘は中学生で、名前はイチカ。親に育児放棄を受けて育ったため、笑顔は全くなく
表情のない顔で周囲に心を閉ざしています。
どことなく冷めていて、未来への希望などない様子の彼女でしたが、
ある時学校の帰り道に通りかかったバレエ教室を覗いて、バレエに興味を持ち始めます。
最初はぎこちない2人の共同生活でしたが、イチカのバレエのレッスンを通して
母と娘のような関係が生まれ始めます。
トランスジェンダーのナギサはイチカのバレエのレッスン代を稼ぐために、
本当はやりたくない仕事に無理して挑もうとします。
男性相手の風俗店での仕事、男性に戻っての肉体労働。
母性の始まりでしょうか。娘のためなら自己犠牲も厭わないという。
バレエの才能が開花したイチカはバレエのコンクールに出場します。
二次審査で緊張のせいか、舞台で曲が始まったのに踊り出さずに呆然としたまま立ち尽くしてしまいます。その時、本当の母親が現れてイチカを抱きしめます。
それを見て、その場から立ち去ったナギサ。
その後、タイへ飛び立ちます。
性転換手術を受けることを決意したのです。女になればイチカの本当の母親になれる。
そういう気持ちもあったのではないでしょうか。
広島の親元へ連れ帰されたイチカはバレエをやめて、地元の不良とつるんで
また元の荒んだ生活に身を置いていました。
性転換手術を終えたナギサはイチカを迎えに行きます。
真っ赤な洋服で現れたナギサはこう言いました。
「私、女になったの。あなたの母親になれるのよ。こんな所にいてはダメ。」
息子が女性の格好で現れたことに驚いて、
「病気を治して!」と泣きじゃくるナギサの母親。
イチカの母親には「この化け物!」と罵られ
親戚の男性と揉み合った結果、はだけた洋服からあらわになったナギサの片乳ー。
結局、ナギサがイチカを東京へ連れて行くことは叶いませんでした。
その後イチカはバレエの先生はからいで、広島までレッスンに来てもらって
バレエを続けることができました。高校卒業後にバレエ留学の奨学金を受けること
が決まったイチカは東京のナギサへ会いに行きます。
ようやく再開できる二人。また以前の母娘のような関係でハッピーエンドへ向かうのか
と思いきや、そこで衝撃的な展開が待っていました。
寝たきりになっていたナギサ。性転換手術の後遺症?手術は失敗だったのか?
目も見えなくなっていました。
ナギサを訪ねてきたイチカをヘルパーさんと間違えて
「オムツを替えてちょうだい。」と話しかけます。
その姿にショックを受けたイチカはナギサにそっと寄り添い涙します。
最後に海へ行く二人ー。
ナギサが海へ連れて行ってと頼んだのです。
小学校の時に行ったきり一度も海へ行かなかったナギサ。
なぜ自分は海パンで、女子のようにスクール水着を着れないんだろう、
という思いがあったと言います。
意識が朦朧としていたナギサはスクール水着の少女の幻影を見ます。
砂浜でバレエを踊って見せるイチカを見て、
「綺麗」と言って、あとは静かに眠るように死んでいくのでした。